東京都指定旧跡 将門塚、第6次改修工事により新たな姿に

2021.09.21

 将門塚は、神田明神のご祭神・平将門命の御首を納めた墳墓であるとともに、400年前まで神田明神が鎮座していた旧蹟地でもあり、当社にとり非常に重要な地です。毎年9月には将門塚例祭、2年に一度の神田祭では奉幣の儀を斎行しております。

 当初はこんもりとした塚があり傍に神池もありましたが、関東大震災により整地され新たな姿の将門塚が造られ鎮魂祭が行われました。

 戦後以降、神田明神と近隣の氏子企業を中心として結成された史蹟将門塚保存会により、昭和36年から今日まで5次の整備工事が行われました。

 この度、神田明神創建千三百年記念事業の一環として、氏子崇敬者に将門塚の歴史を感じ清々しくお参りいただきますよう、4年の歳月をかけて第6次の整備事業を行い、令和3年4月26日に竣功いたしました。

 26日当日、竣功した将門塚にて、浅草芝崎道場日輪寺住職・関口勇一様による落慶法要、神田明神神職による竣功祭が、神田明神宮司・清水祥彦、名誉宮司・大鳥居信史、史蹟将門塚保存会会長・平野徳子様をはじめ会員の皆さまご参列のもと厳粛に執り行われました。

 竣功した将門塚には、細部にわたり将門公への祈りが込められています。例えば、将門塚を守るように囲まれた校倉造風の木塀は将門公が活躍された日本古代の文化を採り入れつつ工夫し風通しをよくしました。太鼓橋を渡ることで現実の世界から将門公のお鎮まりになる清浄なる将門塚へたどりつき、皆さまは手を合わせずにはいられないことと存じます。

 またスロープなどの設置によりより多くの方が安全にご参拝いただけるよう、現代にふさわしい公共性を祈り場となっております。

 今後とも、平将門公がお鎮まりいただく将門塚を常に清浄な地として保ちつつ、さらに将門公の弱きを助け強きをくじく義理人情にあつい、多くの人々に愛された明るいご性格のように陽のあたる聖地となっていくことでしょう。

 東京における文化財として、皆さまには皇居の風に触れ遠くに皇居の森をあおぐことができる開かれた祈りの場・将門塚に足をお運びください。

第6次改修工事で竣功した将門塚
第6次改修工事前の将門塚
明治39年に整備された将門塚
明治時代初期の将門塚